竹田城がある兵庫県の朝来(あさご)市で秋祭りがありました
この竹田秋祭りは、但馬地方を代表するお祭りで、約20店舗にも及ぶ屋台がJR竹田駅周辺を練り歩くというものです。
事の発端は昨年のこと。
昨年の秋祭りの際、一躍人気スポットになった”天空の城”を一目見ようとする観光客が爆発的に増え、その観光客らが迷惑駐車や交通渋滞を引き起こし屋台の巡行が中止に追い込まれる事態にまでになってしまったこと。
地元民の生活にも影響が出始めたことにより、住民からの苦情や強い要望もあり、今年から秋祭りの期間中は竹田城は"入山禁止"となりました。
確かにこの決定は仕方のないことだったのかもしれません
多くの観光客が街を訪れることは市にとってはありがたいこと。大きな経済効果も見込めますし、継続的な発展も期待できますもんね。
しかし、だからと言って地元の住民をないがしろにするようでは意味がありませんし、街も発展などできないでしょう。
ましてや竹田秋祭りは150年続く伝統行事です。地元民が、市が、県が、国が守っていくべき伝統・風習だと思います。
そういった意味では、たとえ大人気スポットといえど入山禁止にしてお祭りを守ろうとした朝来市の対応は素晴らしかったと思います
しかし、竹田城を入山禁止にしてハイオッケー、というようなそんな簡単なハナシではありませんでした
秋祭りの期間中、竹田城が入山禁止になったことを知らない観光客が400人以上も押し寄せてきてしまったのです。
無理もありません、JRの駅や至る所で告知をしても、それはそこに来た人の目にしか触れません。市として入山禁止の告知にそこまで莫大な費用をかけるワケにもいきませんし、遠くから来る観光客すべてに知らせることはそもそも不可能です。
今回は迷惑駐車もなくすために、麓に車を置いて徒歩で行くということも禁止していたので、結果何も知らない観光客はただ何もできずに帰らされたということになります。
実際多くの苦情も寄せられ、警備員に詰め寄る場面も少なくなかったようです。
正直これはものすごいジレンマなんだろうなと思いました。
市にとっても地元住民にとっても、街が栄えることはいいことだと思うはずです。
街を訪れる人が増えれば店が増える。店が増えれば競争が生まれ、より良いサービスが生まれる。また道路などの設備も整備されたり新築されたりすればより利便性が高まります。
それらは結果として地元の人々に返ってくることになり、生活環境が大きく変わることは間違いありません
しかしその前に生活環境が悪化してしまっては元も子もありません。
地域の伝統を守るからと言ってそこで暮らす人達に負担を強いるようなことがあってはいけないと思いますし、何のために、誰のためにしているのかワケがわからなくなってしまいます。
日本が誇る伝統を守り、人々の暮らしも守り、かつ遠方からの訪問者も温かく受け入れられる、みんなが笑顔になれる、そんな対応策が見つかるといいですね
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